プレミアプロの動画編集で、「重い…」と感じるときの原因と対策をまとめました。
PCスペックに依存せずあっさり解決するパターンもあるので、ぜひ試してみてください。
プレミアプロが重い原因
プレミアプロが重いと感じる時の原因は主に3つです。
- アプリの同時起動。
- 素材データが大きい。
- PCスペック不足。
プレミアプロが重い原因1. アプリの同時起動
アプリ1つ1つのメモリ使用量は小さくても、同時に起動するとPC負荷は大きくなります。
特にプレミアプロではいろんな素材・アプリを使うので、知らず知らずのうちにいくつものアプリを起動していることは多いです。
【よく一緒に使うアプリ】
- webブラウザ
- PhotoShop
- illustrator
- AfterEfects
- ‥‥etc。
ちなみに、ワタシが知らない間にPCを圧迫しがちなのがweb。
調べものや資料を出しっぱなしにしがちなので、気づいたら結構圧迫してるってことも珍しくありません…。
\メモリの稼働状況はタスクマネージャーで一目瞭然/
プレミアプロが重い原因2. 素材が大きい
最近では、スマホで撮影した画像・動画ですらHD画質・4Kはあたりまえ。
素材データ自体がとても大きいことがほとんどです。
特に4K・8K・VR(360度)データなどはとんでもないデータ量になるので、確実なPCスペックが要求されます。
プレミアプロが重い原因3. PCスペックが低い
プレミアプロを動かすだけならハイスペックは不要です。
ですが、5分以上のムービー制作・エフェクト多用・高画質やVR編集をやるならPCスペックは確実に必要です。
【高度編集・高画質編集をするのに欲しいスペック】
- CPU:3年以内に発売されたもの。
- RAM:最低でも16GB。可能なら32GB。
- GPU:6GB。
購入して5年以上経つような古いPCを使っている場合、スペック不足はダイレクトにもたつきの原因になります。
まずは以下に紹介する6つの対策を試してみて、それでもダメだったらパソコン買い替えも視野に検討してください。
プレミアプロが重いときの対策1. 未使用アプリの停止
重い処理のタイミングで使ってないアプリは停止する
プレミアプロが重いと感じるときに最初に試してほしいのが、未使用アプリの停止。
作業中につい起動していったアプリを、ときどききちんと閉じていくだけでカクカクが落ち着くことも多いです。
特に動作の重くなりがちな レンダリング・プレビュー・書き出し 時には、その時使っていないアプリを停止しておくのがおすすめです。
プレミアプロが重いときの対策2. プレビュー時の解像度
プレミアプロには、編集時のプレビュー画質を調整する機能があります。
あくまでも編集プレビュー時の設定なので、出力には影響しません。
プレミアプロのプレビュー解像度を下げる方法
プレビュー画質は、プレビューウインドウ下部にある「フル画質(1/2・1/4)」のプルダウンで切り替えできます。
\画質切り替えプルダウンの位置/
ワンクリックで簡単に変えられ、カクカクしたコマ落ちもそこそこ緩和できます。
ただ、当然ながら画質も落ちるので色や細かいエフェクトを調整するときだけは元に戻すなど、作業によって適宜切り替えながら使うのがおすすめです。
プレミアプロが重いときの対策3. キャッシュの削除
地味にPCの負担を増やすしていくが、キャッシュと言われる一時的な作業ファイル。
プレミアプロでも、ソースメディアを使用するたびに作られ、蓄積されています。
キャッシュは、必要になれば新しいものを作るので削除しても編集作業に大きな影響はありません。
キャッシュ削除のスケジュールを組むこともできますが、お仕事で使う人以外は気づいたときにクリーンナップする程度で充分です。
プレミアプロのキャッシュ削除のやり方
プレミアプロのキャッシュ削除のやり方
【Premierepro:キャッシュ削除のやり方】
- プレミアプロを再起動。
- メニュー > 編集 > 環境設定 を開く。
- 環境設定パネルのメディアキャッシュを選択し、「メディアキャッシュファイルを削除」をクリックしてOKへ。
- ◎「システムからすべてのメディアキャッシュファイルを削除」を選択してOKをクリック。
◎システムからすべてのメディアキャッシュファイルを削除は、プレミアプロ起動直後にしかできないコマンドです。
プロジェクトを読み込んだときは、一度再起動してからすぐに「 メニュー > 環境設定 」を開いて設定してください。
プレミアプロが重いときの対策4. 割り当てメモリ
レンダリング時のメモリ使用割合を変えることで、動作が軽くなることがあります。
あまりにもプレミアプロに振り切ってしまうと全体としてもたつく場合もあるので、極端な設定は避けるのがベターです。
プレミアプロの割り当てメモリ変更のやり方
プレミアプロの割り当てメモリを変更する方法は次の通りです。
【Premierepro:割り当てメモリ設定のやり方】
- メニュー > 編集 > 環境設定 を開く。
- 環境設定パネルのメモリを選択し、以下2点を変更する。
・他のアプリケーション様に確保するRAM:現状より下げる。
・レンダリングの最適化:メモリ。
設定するのは2ヵ所ですが、項目の意味・設定値の目安は次の通りです。
【Premierepro:割り当てメモリ設定項目】
- 他のアプリケーション様に確保するRAM:使い方・PCスペックにもよりますが、基本は初期値のままで良いです。PCスペックが低いときは一時的に3GBまで下げるのもアリです。
- レンダリングの最適化:「メモリ」を選ぶとレンダリングでメモリ依存度を高めることができます。デフォルトは「パフォーマンス」に戻すのが推奨になってちます、メモリに変えてしまってても特に問題ないです。
プレミアプロが重いときの対策5. プロキシの作成
プレミアプロの重さ解消で意外と知られていないのがプロキシファイルの作成です。
【プロキシファイルとは?】
- プロキシとは、作業用に画質などを落とすなどで軽量化された代理ファイルのこと。
- 元データと関連づけているため、最終書き出しデータは元の高画質素材をベースにします。
プレミアプロのプロキシ. 作成方法
プレミアプロでプロキシファイルを使うために、まずはプロキシファイルを作る必要があります。
プロキシの作り方・手順は次の通りです。
【Premierepro:プロキシファイルの作り方】
- プロジェクトパネルから作りたいファイルをクリック(複数選択可)。
- 右クリック > プロキシを作成 をクリック。
- プロキシを作成 ダイアログで保存先を確認or修正してOKをクリック。
- 自動でメディアエンコーダーが起動&作成開始するので、処理が完了するまで待つ。
※通常は自動で作成開始しますが、動かない時は開始ボタンを手動でクリック。
※ステータスが「完了」になったら「×」で閉じる。
元データが大きいとそれなりに処理時間もかかります。
ただし、ここでプロキシを作っておくとその後の作業が大幅に楽になります。
プレミアプロのプロキシ. 使い方
プロキシができてしまえば、使うのは簡単です。
【Premierepro:プロキシの使い方】
- プレビューパネルの下部にあるプロキシ切り替えボタンをクリックしてON⇔OFFする。
- ※ON⇔OFFの見分け方:プロキシを使っているときはクリップのプロキシアイコンに色がつく。
プレビューウインドウにプロキシ切り替えボタンが表示されていないときは、ボタンエディターから追加できます。
◎ボタンエディターから追加する方法
ボタンエディターは、プレビューパネル右下の「+」をクリックすると表示されます。
エディターからプロキシボタンをパネル下にドラッグすると追加できます。
\追加はドラッグ&ドロップ/
プレミアプロが重いときの対策6. レンダリング
レンダリングとは、プレビューファイル作成とシーケンスとの紐づけを同時に行うデータ処理です。
編集中に小まめにレンダリングしておくことで、プレビューがスムーズになる・書き出しが速くなるなどのメリットがあります。
レンダリングの状態はシーケンスの上部レンダリングバーの色で判断出来ます。
\レンダリングのステータスバー/
プレミアプロのレンダリングのやり方
編集中のレンダリング処理は、クリップ単位で行うのが基本です。
やり方は簡単。ステータス未処理(赤色バー)のクリップをクリックしてenterを押すだけです。
【Premierepro:レンダリングのやり方】
- タイムライン上部に表示されている赤色バーの下にあるクリップをクリックして「enter」を押す。
- 自動でレンダリングを開始。完了したらバーが緑色に変わる。
◎ムービー全体をまとめてレンダリングする方法
「メニュー > シーケンス > インからアウト」を選択するとムービー全体のレンダリングができます。全体レンダリングは時間がかかるので、しばらく席を離れるときなどに実行するのがおすすめです。
レンダリングバーのステータスは編集するたびに更新されます。
重いデータほどレンダリングにも時間がかかるので、小まめにレンダリングしながら編集を進めるのが、プレビューのもたつきリスクを減らすことにもつながります。
【レンダリングバーの色とステータス】
レンダリングが必要なのは赤のクリップのみです。
- 緑:レンダリング済み。
- 黄:レンダリング未処理。ただしプレビュー品質に問題ない可能性が高い。
- 赤:レンダリング未処理。プレビュー品質は低い。
プレミアプロが重いときの対策7. PCを買い替える
プレミアプロを動かすだけなら低スペックPCでも動きます。
ただし、複雑な編集や長編ムービー、高画質編集をするときにはそれなりのPCスペックが必要になります。
プレミアプロの最低システム要件
プレミアプロの最小ざっくりスペックは以下の通り。
【プレミアプロ ざっくり最小スペック(win・mac共通)】
- CPU:5年以内に購入したものならほぼ大丈夫。
- OS:macかwin。
- メモリ:8GB~。
- GPU:必要。2GB~。
- ストレージ:8GB~。
特に大事なのはメモリ・GPU。
高度編集・高画質・長編ムービー制作をするなら、最低でも以下くらいは欲しいトコロです。
- メモリ:16GB以上。
- GPU:4GB以上。
プレミアプロにおすすめなクリエイター向けPC
プレミアプロに向くPCのスペックを一般流通品から選ぼうとすると、高額になりがちです。
とがったスペックが必要なクリエイターには、余計なアプリがなく高品質パーツをカスタマイズできるBTOパソコンがおすすめです。
BTOメーカーの中でもイチ押しは、MOUSE社のDAIVEシリーズです。
- OS:win11
- CPU:インテル® Core™ i5-12400F プロセッサー
- GPU:GeForce® GTX 1650 (GDDR6版)
- メモリ:16GB (8GB×2 / デュアルチャネル)
- ハードディスク:1TB
- 参考価格:14,780円
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プレミアプロの重いを軽くする まとめ
プレミアプロ編集で動作が重く感じる時、必ずしもPCスペックだけが原因ではありません。
簡単な設定や事前処理だけで大きく改善する場合もあるので、まずは環境と作業手順を見直してみるのがおすすめです。
【プレミアプロが重いときの対策と効果・一覧】
- 不要ソフトの停止:小
- プレビュー時解像度の設定:小
- キャッシュの削除:小
- メモリの割り当て:小
- プロキシの作成:大
- レンダリング:中
- PCの買い替え:大
中でも意外とみんながやってないのはプロキシとレンダリング。
どちらもひと手間かかりますが、小まめにやっとくと編集中の作業効率は爆上がりますし、書き出しにかかる時間も倍以上速くなることも珍しくありません。