図形の組み合わせで作画していくことの多いイラストレーターにとって、オブジェクトの反転・反転コピーは利用頻度の高いテクニックのひとつです。
今回は、そんな反転コピーの鉄板 「個別に変形」 を使った反転テクニック、直感的に反転コピーができるリピートミラー、反転作画の事例などを紹介していきます。
よろしければ、お役立てください。
イラレ 図形反転ツールの種類と方法
イラレで図形・オブジェクトを反転させる方法は4つ。
どのやり方をしても同等の反転結果を得られますが、最初に覚えるなら汎用性の高い 「個別に変更」 から覚えるのがおすすめです。
イラレ 反転ツールのおすすめは「個別に変更」
オブジェクトの反転と言っても、実際のニーズは微妙に違うことが多いです。
【イラレでオブジェクトを反転したいシーン】
- 位置を変えずに、左右反転・上下反転・回転したい。
- 位置をズラして、左右反転・上下反転・回転したい。
- ‥‥上記パターンそれぞれで反転コピーしたい。
イラレの反転方法として、webでおすすめしてることが多いのはリフレクトですが、個人的には「個別に変更」の方がコントロールできること・汎用性があって扱いやすくおすすめです。
【illustrator:反転ツール 種類と特徴】
個別に変更 | リフレクト | リピートミラー | 効果>変形 | |
おすすめシーン | 反転・反転コピー | 反転 | ミラーリング | 左右の反転コピー |
特徴 | 反転軸を上・下・左・右の4辺で指定可。コピー・反転ともに使いやすい。 | シンプルな反転ならコレ。オブジェクトの中心から反転可。 | 左右対称の反転コピー限定だが、直感操作で扱いやすい。 | ベースデザインを元にミラーリングする機能。 |
デメリット | なし。 | コピーにはちょっと手間。 | 左右対象のみ。 | 表示のさせ方に癖がある。 |
操作方法 | オブジェクト>変形>個別に変形 | オブジェクト>変形>リフレクト | オブジェクト>リピート>ミラー | 効果>パスの変形>変形 |
イラレの反転・反転コピーのやり方:個別の変更
イラレの反転コピーは、「個別の変更」から覚えるのがおすすめです。
使い方・操作感はその他反転ツールと大差ない上に 出来ることが多い のが特徴です。
本項では「個別の変更」を使った反転・反転コピーの方法を中心に解説していきます。
イラレ 反転のやり方
【illustrator:イラレで「個別の変更」で反転させる方法】
- 選択ツールでオブジェクトを選択。
- オブジェクト>変形>個別に変形をクリック。
- 反転したい方向にチェック。
- OKをクリック。
イラレでオブジェクトを反転させたいときは、個別に対応でほぼ対処できます。
オブジェクトを中心で回転させたいときも、「個別に変形」パネル内の回転を使うと便利です。
イラレ 反転コピーのやり方
反転コピーとは、元のオブジェクトはそのまま残して、反転位置にオブジェクトを複製する機能です。
やり方は次の通りです。
【illustrator:イラレで「個別の変更」で反転させる方法】
- 選択ツールでオブジェクトを選択。
- オブジェクト>変形>個別に変形をクリック。
- 反転したい方向にチェック。
- 中心ラインを選択。
- コピーをクリック。
◎中心ラインの8つのチェックポイントについて
中心ラインの選択は8ポイント指定できますが、各辺3点のいずれか一つを選択すれば同じ結果になります。
例)上3点のどこを選んでも元オブジェクトの上辺を軸に反転する。
中心ラインの選択ポイントは各辺3つはどれを選んでも同じ結果になります。
◎左側3ポイントのどれかを選んだとき
\元オブジェクトの左ラインを軸に反転する/
◎右側3ポイントのどれかを選んだとき
\元オブジェクトの右ラインを軸に反転する/
◎上側3ポイントのどれかを選んだとき
\元オブジェクトの上ラインを軸に反転する/
◎下側3ポイントのどれかを選んだとき
\元オブジェクトの下ラインを軸に反転する/
【反転コピーに欲しい機能】
反転コピーは、元のオブジェクトに重ならずに複製できる方が便利です。
\コピーが元オブジェクトに重なると地味に面倒…/
反転に良く使われる「リフレクト」だと、位置をずらしての反転コピーは出来ません。
イラレの反転コピーのやり方:リピート ミラー
イラレの反転・反転コピーで最も直感的に編集できるのは リピート>ミラー です。
左右反転しかできないというデメリットはありますが、イラレでわかりにくい中心点のコントロールが簡単にできます。
リピート>ミラーを使った反転コピーのやり方
【illustrator:リピート ミラーのやり方】
- 選択ツールで、反転したいオブジェクトを選ぶ。
- メニュー>オブジェクト>リピート>ミラー を選択。
- コピーオブジェクトとの間に境界線が表示されるので、真ん中のスライダーを左右に動かして距離を調整。
- 中心線の上下のポインタを左右に動かすと角度が変わる。真ん中のスライダーを上下に動かすことで中心点を変えられる。
【リピート>ミラーのメリット・デメリット】
- メリット:垂直反転コピー・角度を付けた反転コピーが最も直感的にできる。
- デメリット:水平反転ができない。
イラレの反転応用:文字の鏡面反射 作り方
鏡面反射したような文字オブジェクトの作り方
文字エフェクトでよく見る鏡面反射したようなオブジェクトは、反転コピーの応用です。
作り方は次の通りです。
【illustrator:文字の鏡面反射の作り方】
- 文字を作って選択ツールで文字オブジェクトを選択。
- 「個別の変形」で下方向・垂直に反転コピー。
- 適宜レイアウト。
※下の例では隙間を詰めた。 - 下テキストを覆うように、やや大きめの 四角形オブジェクト を作成。
- 四角形オブジェクトの塗りにグラデーションを設定。
- 選択ツールで四角形オブジェクトとテキストオブジェクトの2つを選択。
- 透明パネルでマスク作成をクリック。
鏡面反射のグラフィックには、反転コピー以外にもいくつかのテクニックが必要です。
◎グラデーションの編集について
グラデーションの初期設定は横向きです。
この中―とリアルにあるような縦方向に変更するには「グラデーション編集」を行います。
グラデーション編集は、グラデーションしたいオブジェクトをクリックしたのち、次の手順で編集します。
【グラデーション編集のやり方】
- 四角形オブジェクトの塗りをグラデーションに変更。
- グラデーションパネルの「グラデーション変更」をクリック。
- グラデーションバーの両端をドラッグして縦方向へ回転。
- 最薄ポイント・中心点・再濃ポイントをドラッグで調整。
イラレの反転応用:反転コピーで作るハートマーク
左右対象のオブジェクトは、パーツの反転コピー+合成すると比較的楽に作れます。
ハートマークはわかりやすいチュートリアルなので、ぜひ試してみてください。
反転コピーで作るハートマーク
【illustrator:ハートマークの作り方】
- 丸・四角形オブジェクトのパスを「ダイレクト選択ツール」で成形。ハートマークの半分を作る。
- 「個別の変更」で反転コピーする。
- 選択ツールで2つのオブジェクトを選択したあと、パスファインダーで合成する。
合成前のパースが多少いびつでも、反転コピー+合成することで綺麗なシンメトリーになります。
中央部分の重なりは、合成すれば跡形もなくなります。
イラレの反転 まとめ
イラレで反転・反転コピーする方法は幾つかありますが、基本的に「個別に変更」を覚えておけば困ることはまずありません。
左右反転に限れば、リピート>ミラーも直感的にできておすすめです。
【illustrator:反転ツール 種類と特徴】
個別に変更 | リフレクト | リピートミラー | 効果>変形 | |
おすすめシーン | 反転コピー | 反転 | ミラーリング | 左右の反転コピー |
特徴 | 反転軸を上・下・左・右の4辺で指定可。コピー・反転ともに使いやすい | シンプルな反転ならコレ。オブジェクトの中心から反転 | 左右対称の反転コピー限定だが、直感操作で扱いやすい。 | ベースデザインを元にミラーリングする機能。 |
デメリット | なし。 | 反転コピーにはちょっと手間。 | 左右対象のみ。 | 表示のさせ方に癖がある。 |
操作方法 | オブジェクト>変形>個別に変形 | オブジェクト>変形>リフレクト | オブジェクト>リピート>ミラー | 効果>パスの変形>変形 |
イラレは図形のコピペ・反転・合成を頻繁に使いがちなツール。
結果は同じでも、「何を使うか」で作業時間が大きくかわるのが特徴です。
最初は汎用性があって失敗し難い基本のやり方をマスターして、徐々にオブジェクトにあったツール・手法を幅広く取り入れていくのが効率の良い学習方法です。