トレーシングペーパーとは平面の輪郭線を転写するときに使う半透明の紙のことです。
イラストやグラフィックデザイン、建築デザインのシーンで重宝されます。
トレーシングペーパーの基本的な使い方や曲がり癖の取り方、アレンジ・活用例などを紹介していきます。
よろしければ参考にしてください。
トレーシングペーパーの使い方
トレーシングペーパーの正しい用途は輪郭線の転写です。
基本的な転写方法
トレーシングペーパーの基本的な使い方は次の通りです。
- 転写したいデザインの上にトレーシングペーパーを重ねる
- トレーシングペーパーがズレないように、セロハンテープやマスキングテープなどでしっかりと留める
- トレーシングペーパー越しに輪郭線を鉛筆などでなぞる
- 一度テープを外し、転写したい支持体の上に重ね治して再度テープでしっかりと留める
- トレーシングペーパーと支持体の間にカーボン紙やパステルなどの染料素材を敷く
- トレーシングペーパーの輪郭線を鉛筆やボールペンでなぞる
やってることはとても簡単です。
半透明の紙を重ねて輪郭線を描き起こし、写したい支持体の上でトレぺの線をもう一度ペンでなぞるだけです。
輪郭線を転写するときには便利なツールですが万能ではありません。
あくまでもソコソコの精度で大まかなレイアウトを写すためのツールと割り切って使うのが上手な付き合い方です。
【トレーシングペーパーを使う上で知っておきたいこと】
- 細い線での転写はできない
トレーシングペーパーには厚みがあって、ある程度力を入れないと転写できないものの、鋭利なペンを使うと簡単に破れてしまいます。つまり、トレぺでは精密な転写はできないということです。 - 支持体によっては転写自体ができない場合がある
凹凸が激しいものやカーボン紙などの染料をはじく支持体の上ではそもそも転写ができません。
トレぺを使う前にカーボン紙や鉛筆で描ける素材なのか確認してから作業を進めるようにしてください。
トレーシングペーパーを上手に使うコツ
ワタシがトレーシングペーパーを上手に使うコツだと思うのは次のとおりです。
◎テープでしっかりと留める
- トレーシングペーパーは転写時・トレース時ともに結構ズレます。
- しかも徐々にズレていく場合が多く、気付いたときには全やり直し…というパターンも珍しくありません。
- 回避するコツは 作業開始前に テープでしっかりトレぺを留めておくことです。
- テープは、中央から外側に向かって8ヵ所程度とめると、たわみやズレがおきにくくなります。
◎転写時には細いサインペンを、トレース時にはボールペンを使う
- トレーシングペーパーは同じ箇所を何度もなぞるため、できるだけ紙へのストレスを減らすことが大事です。具体的には紙にダメージを与えにくい細線のサインペンやボールペンなどを使うのがおすすめです。
- 使っていくうちに芯先が鋭利になっていく鉛筆やシャープペンシルはあまりおすすめしません。
- ワタシもイロイロ試してみましたが、トレぺへの転写時には軽い力でくっきりと描けるサインペンを、トレース時には適度な丸みがあって力を加えらえるボールペンを使うのが一番綺麗な線がでると思っています。
◎要所でトレース結果を確認しながら漏れがないように進める
- カーボン紙などを下に敷くこともあり、トレース結果はトレぺの上からでは確認できません。
- 時々一部のテープを外してトレース結果を目視しながらトレース漏れがないよう作業をすすめるのも大事なポイントです。
ロールタイプの曲がり癖を簡単にとる方法
トレーシングペーパーには規定の紙サイズのものと、汎用性とコスパの良いロールタイプがあります。
◎規定の紙サイズのメリット・デメリット
- メリット:折れや曲がりがないので重ねた時にたわみ難く、すぐに使える。
- デメリット:色んなサイズで使いたい人には切り捨てる部分が多めに出やすくコスパが悪い。
▼A4サイズ
◎ロールタイプのメリット・デメリット
- メリット:狭いエリアから大きなエリアまで必要な分だけカットして使えるため、無駄が出にくい。
- デメリット:しっかりめの曲がり癖がついてるため、たわみや反りが慣れないうちは使いづらく感じます。
▼ロールタイプ
ワタシはコスパを優先してロールタイプを愛用しています。
そのため、ロールライプのデメリットである曲がり癖にストレスを感じていましたが、良き解決方法を思いつきましたので紹介します。
【丸まったトレぺを3秒でフラットにする裏ワザ】
- トレぺを使う分だけ切りとる。
- 切り取ったトレぺを片手の中に納まるように握りつぶす。
- 潰したトレぺを広げてシワを伸ばす。
折れ目(シワ)が細かくつくので、不透明度を上げたりペンの摩擦に影響しそうな気がしますが、ほとんど影響しません。
神経質な方には向かないかも…?ですが、丸めてシワを伸ばすまで10秒もかからずに曲がり癖がとれるので、ワタシ的には最高にタイパの良いやり方です。
トレーシングペーパーのアレンジ・活用法
トレーシングペーパーを使ったアレンジも流行っているみたいですね。
トレーシングペーパーのアレンジアイデアの場合、転写ツールとしてではなくデザインや梱包素材として利用するパターンがほとんどです。
重ね素材
トレーシングペーパーは完全に透明なわけではなく、擦りガラスのような半透明な紙です。
エフェクトのようなマットな質感や、淡いグラデーション効果を狙った重ね素材として利用します。
台紙
少し厚みのあるトレーシングペーパーそのものを印刷紙として利用する方法です。
プリターなどで簡単に大量印刷でき、程よい透け感のあるオシャレな印刷物に仕上がります。
ラッピング
ラッピングの帯や便箋として利用します。
数ある紙の一部として利用するだけですが、トレーシングペーパーの透け感が面白い表現になります。
トレーシングペーパーの代用
トレーシングペーパーの代用品として有名なのはクッキングシートです。
実際、トレーシングペーパーがないときはクッキングシートでも代用できます。
クッキングシートとの違い
なぜクッキングシートが代用できるのかというと、どちらも原紙が同じグラシン紙だからです。
両者の主な違いは、表面にシリコーン加工がされているかどうか?で、シリコーン加工がされている方がキックングシートとなります。
シリコーン加工のお陰で油をはじいたり素材が紙とくっつきにくくなっています。
ただし、クッキングシートの代わりにトレーシングペーパーを使うのはおすすめできません。
余談ですが、トレぺと違ってクッキングシートはロールタイプのみですよね。
クッキングシートこそ切ったら丸まってしまって使いにくいですが、トレぺと同じく一度ぐしゃぐしゃに握りつぶせば簡単にフラットにできます。
トレーシングペーパーの使い方 まとめ
トレーシングペーパーを上手に使うコツは次の通りです。
- 転写時、トレース時にはきちんとテープで留める。
- トレース漏れがないように、トレース結果を確認しながら作業を進める。
- 紙を傷つけないようサインペンやボールペンを使う。
トレぺがない場合はクッキングシートでも代用可能です。
ただし、クッキングシートの方が高価なのでコスパは良くないです…。
ロールタイプのたわみをとりたいときは一度片手に収まるくらいにぐしゃぐしゃに握りつぶすのがおすすめです。
再度広げれば一瞬で反りが無くなってフラットになるのでストレスなく作業が進められます。
ロールタイプのたわみ取りは、クッキングシートでも同じことができます。
ぜひ試してみてください。