油絵をはじめるときに必要な道具、持ってると便利な道具、アトリエを持てた人向けのおすすめ道具、イーゼルのカスタム例などを紹介します。
これから油絵をはじめたい方、手持ちツールに不便を感じている方など、よろしければ参考にしてください。
油絵に必要な道具
まず最初に、「これがないと油絵は始められない!」という必須ツールを10点紹介します。
必要最小限に絞れば、全く油彩道具を持ってなくても1.5万円以下で揃えられます。
【はじめての油絵に必要な道具&費用目安・一覧】
- 絵の具:5,000円
- パレット:700円
- 筆セット:2,300円
- 溶き油:800円
- 油壷:600円
- ウエス:900円
- ブラシクリーナー:1,100円
- 筆洗器:2,500円
- 石けん:100円
- キャンバス:900円
⇒合計:14,900円
絵の具:ホルベイン 油絵具 Hセット
兎にも角にも、油絵具 は必須です。
これから油絵をはじめる方は、次の2点を押さえておけばまず失敗しません。
【はじめての方向け おすすめの油絵具】
- ブランド:ホルベイン・クサカベ
- 色数:10色~12色セット
絵の具には、ブランドごと・色ごとに混色制限や注意点が異なるので、最初に選んだ絵の具ブランドを継承して使い続けることが多いです。
そのため、絵の具だけは最初のブランド選びが大切で、安いだけの無名ブランドや、有名だけど国内では取り扱いの少ない絵の具はおすすめしません。
いつでも・どこでも買えて、品質にムラがないものを選ぶのがポイントです。
【絵の具ブランド 選ぶポイント】
- 品質が安定している。
- 流通が安定している。
なお、色数やどの色を選ぶか?も迷いドコロですが、はじめての方はセットされた絵の具からはじめるのがおすすめです。
【セット絵の具がおすすめの理由】
- 混色に適したラインナップになっている。
- 混色することで色やトーンを理解するのに役立つ。
- 好みによる色の偏りが生まれない。
- 自分に必要な好みのカラーが分かっていないので選べない。
同じように見える絵の具でも、実際には混色が難しい不透明属性や、混ぜると変色する組み合わせもあるので、絵の具選びには知識が必要だったりします。
また、「好きだと思っている色と使いやすい色が違っていた…!?」なんてこともよくあるので、好みの偏りや混色制限のないカラーセットは、初心者に最適なパッケージと言えます。
\色と属性の配色バランスがいい ホルベインのHセット/
パレット:ホルベイン ペーパーパレット
パレットは絵の具を仮置きしたり混色するためのトレーです。
本気で選ぶと形・大きさ・材質と悩みドコロはいろいろありますが、安価に使い捨てられるペーパーパレットからはじめるのがおすすめです。
【ペーパーパレットの特徴】
- 耐油・耐水性の紙を30枚程度重ねた作り。
- 低価格。
- 使用後は汚れた紙を剥がして捨てるだけなので片付けが簡単。
×:デメリット
- 紙製なので、底の厚紙・パレット紙が湿気による反りが発生する。
- 長時間手で持つと指が痛くなる。
- 長時間手で持つと厚紙が変形する。
手で持って描きたい方には、本当は木製のパレットの方がおすすめです。
ただし、持ちやすい大きさ・カタチ・重さには個人差があるので、まずはペーパーパレットで慣れてから自分好みを探すのがよいかなと思います。
\木製パレットは種類が多くて高額なので、はじめから揃えなくてもいい/
ちなみに、パレットのサイズは使う色数や混色の頻度で選ぶのがおすすめです。
【パレットサイズと選ぶ目安】
- Sサイズ:使う色数が少ない作品・単色塗りつぶしが多い作品
- Mサイズ:SとMの中間的な性質
- Lサイズ:使う色数が多い作品・混色が多い作品
筆:ゆめ画材 油彩筆 6本組セット
筆も 大きさ・形・材質・硬さ が豊富なので、はじめての方が自力で選ぶには難易度が高めです。
ただ、筆は消耗品なので、ブランドや形はあまり気にせず、画材屋さんでパッケージ販売しているリーズナブルなセット筆からはじめるのがおすすめです。
はじめての方におすすめの6号キャンバス程度の作品なら、以下くらいの筆を揃えると困らないと思います。
【6号サイズの作品制作に必要な筆のサイズ×種類×本数 目安】
- 0号:丸筆×1本
- 2号:平筆×2本
- 4号:平筆×2本
- 6号:平筆×2本
筆の種類を決める要素は形・柔らかさ・材質です。
ちなみに、筆は表現方法によって最適なもの選ばないと、とんでもなく手間がかかってしまいます。
間違っても「サイズ違いの1種類だけを使い続ける…」なんてことはやめましょう。
◎筆の形
筆のカタチは大きく2種類です。
平筆の方が、ダイナミックな表現ができます。
●平筆
線を描く・面を塗るといった、油絵らしいタッチや塗りの描写が得意。
- フラット:広い面への塗りが得意。
- フィルバート:狭い面への塗り、マイルドな描き込みが得意。
- アングル:線を描く、エッジ部分や曲面の描き込みや塗りが得意。
●丸筆
線を描く、狭い場所の塗り込み、タッチを感じさせないグラデーションや描写が得意。
◎筆の柔らかさ
筆の柔らかさも、タッチ・表現に影響する要素です。
●柔らかい筆
- 材質:コリンスキー・イタチ・馬・ナイロン
- 用途:筆跡を目立たせたくない、滑らかな表面を描きたい。
●硬い筆
- 材質:豚毛
- 用途:タッチをはっきりと残したい、厚塗りしたい、ダイナミックな表現をしたい。
◎筆の素材
筆の素材には、主に 動物の毛素材 と ナイロン が使われ、柔らかくまとまりのよいものほど高品質で高額です。
価格は素材の品質にも左右されますが、おおよそのランクは次の通りです。
【高額×高品質】⇐コリンスキー>イタチ>馬>ナイロン>豚⇒【低額×低品質】
ちなみに、高品質な筆=必ずしも自分の作風に適しているとは限りません。
アカデミックな作風には高級筆の方が合いやすいですが、現代アートや抽象画だと安い豚毛の方が面白かったりします。
溶き油:ホルベイン ペンチングオイル/ターペンタイン
溶き油には、主に3つの役割があります。
【溶き油の役割】
- 絵の具を溶いて薄める。
- 絵の具を定着させる。
- 筆滑りを良くする。
上級者は制作段階によって溶き油の濃度を調合していきますが、初心者はどの段階でもマルチに使える調合済みの溶き油を使うのがおすすめです。
\おすすめの調合済み溶き油:ペンチングオイル/
なお、調合溶き油も時間が経つとベタベタして筆滑りが悪くなるので、溶き油の濃度を薄めるための揮発性油も併せて常備しておきましょう。
\おすすめの万能揮発油:ターペンタイン/
油絵の溶き油は、2種類の油を調合したものです。
- 乾性油:顔料をキャンバスに定着させ、ニスのような被膜を作ってくれる油。
- 揮発性油:乾性油をサラサラにして、絵の具の乾燥も早めてくれる油。
調合済み溶き油も、時間ととともに揮発性油が抜けて筆滑りが悪くなるので、ときどき揮発性油を足す作業が必要になります。
油壷・小皿:ノーブランド
油壺は、溶き油を溜めおく容器です。
野外制作するなら、漏れ防止のパッキン付き油壷がおすすめですが、室内描きなら2cm程度の深さがある小皿の方が使い勝手やメンテナンス性が良いです。
\わたしの使っている油壺代わりの小皿(100均)/
わたしの使っているものと同じではないのですが、規格が似ているのはコチラです。
ちなみに、油絵用の道具は石油系のクリーナーで洗浄することが多いので、ガラスか陶器製のお皿を使うのがポイントです。
\野外制作される方はシール(液漏れ防止)付きの油壷がおすすめです/
ウエス:アサヒペン 綿100%ウエス
ウエスとは、使い捨ての布です。
油絵制作中にも制作後にも、終始使っていきます。
【ウエスの使い用途】
- 製作中:筆に付いた余分な絵の具をふき取る・キャンバスについた余分が絵の具を拭き取る・その他油絵具の汚れを拭き取る。
- 制作後:道具の洗浄に使う。
ウエスは、使い古した捨てる前の洋服などを使ってもよいのですが、都合よく手元になかったり手頃な大きさのものがなかったりするので、購入してしまった方が確実です。
古布や洋服のカット:むやみにカットすると、糸くずや埃が出て画面を汚す原因になることがあります。
ティッシュの使用:ティッシュは、ボロボロと崩れてダマになりやすく、画面に付着したり、洗浄を困難にすることがほとんどです。
幸せな結果はまず生まないので、油絵制作の現場には持ち込まない方が良いです。
筆洗液:ホルベイン ブラシクリーナー
油絵具の除去には石油系クリーナーが必須です。
なお、ブラシクリーナーは、道具全般のクリーニングにも使えるので、ボトル買いがおすすめです。
【リンスタイプについて】
クリーナーには、筆の劣化を防ぐリンスインタイプとそうでないタイプがあります。
ただ、洗浄力・筆の持ちに目に見える差があるか?は、正直よくわかりません。
価格差もそれほどないので、気になる方はリンスインタイプを選んでおく方が心が安らかです。
ブラシクリーナーは、筆と手肌への刺激性を抑えた配合になっているので、必ず油絵専用のクリーナーを使ってください。
筆洗器:ターレンス 密閉型 アルミ筆洗器
筆洗器は筆を洗うバケツです。
ただ、バケツの底に 汚れた絵の具を溜めるスペース と 綺麗なクリーナーの上澄み層 とを分離する間仕切りがあり、常に綺麗な上澄み部分で筆を洗える構造になっているのが特徴です。
\筆洗器 図解/
ちなみに、クリーナーが入った筆洗器はかなり安定しますが、こぼしてしまうと面倒なので密閉型を利用するのがおすすめです。
わたしは数回倒して痛い目を見ているので(?)密閉型を使っています。
小品しか描かない方、野外制作をする方、はじめてなので小さいもので様子見したい方は、底部に凹凸形状がある筆洗器型クリーナーもよいですよ。
\筆洗器形状のコンパクトクリーナー/
固形石鹸:ノーブランド
ブラシクリーナーで洗った筆や道具は、固形石鹸でクリーナー液を水洗いします。
石けんは、固形ならなんでもよいですが、安いものほど石けん成分が濃くてよく落ちます。
キャンバス:ゆめ画材 張りキャンバス 6号
油絵はキャンバスという下地に描くのが一般的です。
慣れてくると、貼り具合・下地の素材・キャバス地の目の粗さなどの好みも出てくるのですが、はじめはよくわからないと思うので、予め木枠に貼ってあるタイプを購入するのがおすすめです。
【はじめてにおすすめのキャンバス スペック】
- 種類:張りキャンバス(初めから機械で木枠にキャンバスを貼ったもの)
- 下地材:塗布済み(油絵用)
- 荒さ:中目
- サイズ:F6
張りキャンバスにも、麻布を貼っただけのものや、アクリル用の下地を塗ったものなどがあります。購入の際は、油絵用下地が塗られたものを選んでください。
最初から必要な道具のまとめ
油絵をゼロからはじめるときに必須な道具は10点で、全て揃えても1.5万円以下で揃える事が出来ます。
【はじめての油絵に必要な道具・一覧】
道具 | おすすめ商品 | 価格 |
絵の具 | 5,000円 | |
パレット | 700円 | |
筆 | 2,300円 | |
溶き油 | 350円+450円 | |
油壷 | 600円 | |
ウェス | 900円 | |
ブラシクリーナー | 1,100円 | |
筆洗器 | 2,500円 | |
石けん | 100円 | |
キャンバス | 900円 | |
合計 | 14,900円 |
※価格はざっくりの相場です。税込の目安ですが、送料は含んでいません。
油壺・ウエス・石けんなどは、ご家庭にあるもので代用してもかまいません。
あると便利な油絵の道具
1~2枚描けたころに揃えはじめても良いかなと思う便利ツールを6つ紹介します。
すごくやる気がある方は、最初から揃えておいてもよい物ばかりです。
フィキサチーフ
フィキサチーフは、鉛筆やパステルの粉を画面に定着させるためのスプレー状の定着材です。
軽く吹きかけておくと、油絵をのせたときの鉛筆滲みを抑えてくれます。
他、定着力の弱いパステルにも使えます。
ナイフ:ターレンス ペンチングナイフ
ペンチングナイフは早い段階で持っておきたいツールです。
【ペンチングナイフの役割】
- 描く:ナイフを使って描けます。着色による混色が荒く、鮮やかでエネルギッシュな色彩になります。
- 盛る:エッジを持った厚みとフラットなマチェ―ルを作れます。
- 混ぜる:パレット上で絵の具を素早く混ぜる事が出来ます。
ペンチングナイフは、筆代わりにペイントするイメージの方が強いかもしれませんが、本来はパレット上の絵の具を素早く混ぜるツールで、大きな作品を描くときほど混色ツールとして役立ちます。
手はじめは、中くらいの長さ(8cm以下)のペンチングナイフを持っておくと、ペインティングにも混色にも使えて便利です。
\ペンチングナイフ/
ちなみに、ペンチングナイフと似ているのがフラット形状のパレットナイフというツールで、こちらは最初から持つ必要はありません。
【パレットナイフとは】
パレットナイフは瓶に入った塗料を取り出したり混ぜるためのナイフで、ペンチングナイフより厚みと強度があります。
ペンチングナイフのような柔軟性はないので、描きには不向きです。
ブラシマット:ホルベイン フリーカット ブラシマット
作画環境で地味に便利なアイテムがブラシマットです。
ブラシマットは、筆の転がりを防ぐ凹凸形状をしたアイデア製品です。
【ブラシマットのメリット】
- 筆が転がって落ちることを防ぐ。
- 筆が転がって隣の筆に接触することを防ぐ。
このシート、油絵だけじゃなく水彩筆や鉛筆の転がりも防いでくれるので、デスク周りでも重宝します。
イーゼル:ターレンス ヴァンゴッホ イーゼル
10号以上の作品を描くなら、イーゼルは必須です。
そして、イーゼルの中でもコスパと使い勝手がよいのがターレンスのヴァンゴッホシリーズです。
\コスパと使い勝手に優れるターレンス ヴァンゴッホ イーゼル/
- ワンタッチで高さ調整ができる。
- 転倒し難い台座。
- 縦50号サイズにも対応。
イーゼル選びで最も重視すべきは、高さを簡単に変えられる機能があるか?という点です。
【イーゼル選びのポイント】
長時間絵を描くときは、腰を曲げたまま・身体を捻ったまま・中腰のまま…といった、無理な姿勢での作業を避けないと疲れてしまいます。
この現象は、ほとんどの場合キャンバスに合わせて自分が姿勢を変えてるために起こります。
よって、キャンバスの高さ・縦⇔横 位置を小まめに変えながら作業すれば、この問題は簡単に解決できることです。
この 簡単に高さ変更ができる機能の有無 こそが、イーゼルの性能です。
事実、高額なイーゼルはハンドルで簡単に上下変更できるので作業効率はすこぶる良いです。
でも、10万円越えがザラなので簡単には手が出ませんよね。
対して、ターレンス ヴァンゴッホシリーズは、中央のスプリングピンの抜き差しだけでロック&解除ができるので、キャンバスをのせたままでも簡単に高さ変更ができてしまいます。
※キャンバスをのせたままの高さ変更も「簡単にできる」というだけで、メーカーが推奨しているものではありません。
おすすめしないのは、2点ネジ留め方式のイーゼルです。
【おすすめしない2点留めイーゼルの特徴】
キャンバス受けを2点の締め付けで固定するタイプのイーゼルは、作画中に気軽な高さ変更が出来ないので、かなり使いづらいです。
- 片方のネジを緩めた時点でキャンバスが落ちるので、キャンバスは必ず下ろさなければいけない。
- 任意に位置決めできるので水平になってないことも多く、水平出しだけで余計な時間をくう。
\かなり安価だけど油絵製作には使いづらいのでおすすめしない/
また、組み立て式のメタルイーゼルも、10号以上の作品を支えるには安定感が心もとなく、おすすめできません。
\コスパと使い勝手に優れるターレンス ヴァンゴッホ イーゼル/
椅子:天木天童 マッシュルームスツール
イーゼルとセットで揃えたいのがスツールです。
【油絵制作に向く椅子の特徴】
- 背もたれがないもの:油絵は、たびたび遠距離から見直すことも多いです。
作業中の起立と着席をシームレスにするためには、背もたれがない方がスムーズです。 - 安定感があるもの:椅子自体が傾いたり高さ調整ができると姿勢に負担がかかることも多く、決まった高さや位置から動かないものの方が疲れにくいです。
ちなみに、作業中の目線を変えたいときは、キャンバスの高さを変えた方が楽に作業できます。
⇒条件にあうのはスツールタイプ
上記を満たしていれば、特にブランドにこだわる必要もありません。
ちなみに、わたしが長年使っているのが天木天童のマッシュルームスツールです。
当時はほぼ見た目だけで買ったスツールでしたが、安定感・高さがジャストで、一度置いたら高さや位置が微塵もずれないお気に入りの逸品です。
小瓶:ノーブランド
頻繁に溶き油原液の蓋を開閉してると、揮発によって蓋がべたついたり空けにくくなります。
この開閉頻度を下げるのに便利なのが、ジャム瓶で小分けにしておく方法です。
別にわざわざ買わなくても、文字通りジャムの瓶を洗って再利用しても良いです。
ちなみに、パッキン付きの瓶は、縁に付いた調合油がシール材に張り付いて使いにくくなるのでおすすめしません。
アトリエにおすすめな油絵の道具
アトリエを持てた方は、スツールに座った位置を中心とした手の届く範囲に、アイテムやツールを配置していくのがおすすめです。
ipad&フレキシブルアーム
アトリエ持ちの方におすすめしたいのが、アームで固定したipadなどのタブレット類の設置です。
欲しいデータをいつでも目元で即チェックできるのは、とても便利な拡張機能で、一度設置したら2度と手放せなくなります。
また、タブレットをwifiに繋げばインターネットからの情報収集もできますし、本にはできない拡大⇔縮小も思いのままです。
ポイントはアーム選びで、どんな角度や位置でもピタッと止まり、ぐらぐらしない安定性があるものを選ぶことです。
\わたしが使っているサンワサプライのフレキシブルアームの活用イメージ/
ちなみに、わたしの使っていたアームは現在廃盤になってしまったようなので、類似品を紹介します。
ちょっとサンワサプライよりもアームは細めですが、リーズナブルで性能的には申し分ないです。
\ipad 対応!おすすめのフレキシブルアーム/
\資料確認用のディスプレイなのでIpadほど高価な端末でなくてもよいですよ/
作業台:山崎 キッチンワゴン
スツールの両サイドに70cm~80cm程度の高さを持ったワゴンがあると、非常に便利です。
\安価なキッチンワゴンが狙い目/
更に言うと、パレットを持つ逆手側には天板付きのタイプが望ましいです。
【天板付きのワゴンのメリット】
- 天板にパレットを置ける。
- 天板スペースで調合できる。
- 天板に資料や素材を置ける。
70cm程度の高さというのは、スツールに座ったときに無理なく手が届く高さで、作業動線をスムーズにしてくます。
ほとんど姿勢を変えることなく、混色・着色・一休み・検討‥‥etc といった、あらゆる作業ができるようになりますよ。
時計:カシオ 壁掛け 電波時計
引きこもっていると、時間の概念を忘れがちです。
キャンバスの向こう側に壁掛け時計があるだけで、進捗管理がやりやすくなり、リアルへと引き戻してくれるトリガーにもなります。
人に拠るのかもしれませんが、デジタル時計よりも秒針タイプの方が時間計算がしやすくおすすめですね。
腕鎮:ホルベイン 腕鎮
腕鎮は、油絵の細密描写をするときは使う長い棒です。
キャンバスの上辺に立てかけることで隙間を作り、画面のすぐ近くに手を置けるようにする細密描写に役立つ道具です。
\腕鎮/
ちなみに、腕鎮は専用の道具を買わなくても長くて曲がらない木の棒なら代用可能です。
金属の棒は冬場に凍てつくので駄目ですね。
乾燥棚:絵画作品 乾燥棚
出来上がった作品は、完全乾燥するまでの置き場に困りがちです。
そんな時は乾燥棚を使うと便利です。
ちなみに、20号以上に対応する乾燥棚は一般的に個人販売はされていませんので、大きい作品を描かれる方は自作するか特注になります。
\わたしは30号サイズまで格納できる乾燥棚を自作してます/
自分で作るのが面倒な方におすすめなのが、以下の画板収納乾燥棚で、画板を天板にすることで20号サイズくらいなら10枚程度は余裕で収納できそうです。
デジタルカメラ
昨今のデジタルカメラは性能がよいので、プロに頼むことなく自分でいろんなものを撮影できます。
【デジタルカメラの活用シーン】
- デッサン代わりに記録画像&映像。
- 完成作品の撮影。
- メイキングムービーの撮影。
- デジタルペイント用の素材&資料。
デジカメは、肉眼では捉えられないところまで記録してくれたり、拡大しても画像劣化しないので、持ち歩いてるだけでも何かと重宝します。
おすすめは、一眼レフよりもささっと撮影できるコンパクトデジカメです。
カメラ:CANON G9X MARKⅡ
わたしの愛用しているのがCANON G9Xです。
おすすめポイントは5つです。
【CANON G9Xのおすすめポイント】
- オシャレな外観。
- 片手に収まるコンパクトボディ。
- 激早な起動。
- IOS感度高めで暗所でも綺麗。
- スマホと同期しての遠隔シャッターも可能。
ひと昔前の一眼レフとはけた違いに性能がよくて、室内でのストロボなし撮影も綺麗に撮影できます。
家の内でも外でも使い勝手のよいカメラですよ。
三脚:SLIK GX-M
三脚は、完成作品やメイキングムービー撮影に必須です。
三脚も折りたたみイーゼルと同じで、三本の足が連動して開閉するタイプを選ぶのがポイントです。
コンパクトデジカメ程度の重さに使う三脚では、それ以外は特に注意することもありません。
なお、価格と使いやすさでわたしが10年以上愛用しているのが、SLIK GX-Mシリーズです。
アトリエイーゼルのカスタマイズ
アトリエイーゼルのおすすめカスタム
アトリエイーゼルでおすすめのカスタムを紹介します。
◎イーゼルの上部のキャンバス押さえにバーの取り付け
やっていることは簡単で、フラットな板をキャンバス押さえパーツにボルト止めしているだけです。
このフラットな板は、腕鎮の支えになってくれます。
【このカスタムの効果】
- 腕鎮がキャンバスに触れることなく固定できる。
- 腕鎮が汚れないので、手も汚れない。
- キャンバス上面の角が腕鎮で凹んだり絵の具が剥がれることもない。
腕鎮は、キャンバスの上部を支えにするツールなので、キャンバスのキワの絵の具で腕鎮が汚れ、腕鎮の汚れから汚染が広がることがたびたびあります。
何より、腕鎮を使うとキャンバスの角の絵の具も剥がれるので、厚い下地の作品だと仕上がり自体に影響することもあります。
油絵の道具 まとめ
油絵を描きたいと思った時は、道具ゼロでも1.5万円あればスタートできます。
まずは初心者向けの道具で、F6号(41cm×32cm)程度のキャンバスを1~2枚描くのを目標にするのがおすすめです。
最初から高額な道具や画材は不要なので、最低限の道具と画材で描いてみて、必要に応じて少しずつ買い足していくのが、永く楽しむコツです。
【失敗しない道具選びのポイント】
- 絵の具・溶き油:ホルベイン か クサカベ で揃える。
- 絵筆:平筆と丸筆をバランスよく持つ。
- イーゼル:楽しんでいける自信を持ってから、ターレンス ヴァンゴッホシリーズを購入するのがおすすめ。
はじめての油絵生活、ぜひ楽しんでみてください。